「あと幾日寝ると、楽しいお正月が来る。」子供の時は、お正月が来るのを指折り数えて待った者だ。楽しい料理が食べられるし、楽しい遊びをすることができるからだ。だが、一番嬉しいのは大人からお年玉がもらえることだ。お父さん、お母さんをはじめ親戚の人から「はい、お年玉だよ。」と言って渡された時のうれしい気持ちは、今でも忘れられない。
おせち料理
自分の部屋でお年玉の袋を開けてみて、予想外にたくさんのお金が入っていると、飛び上がってよろこんだものだ。そして、「あれを買おう。いや、これにしよう」といろいろ思いを巡らしたりした。
ところで、高度経済成長とともに、お年玉の金額も随分増えた。今では5000円ぐらい平均だそうで、いろいろな人からお年玉をもらい、一人で6、7万円もためる子供があるという。学校へいくと、お年玉をいくらもらったかが、子供たちの間で関心の的になるらしい。子供に必要以上のお金を与えることは、決していいことではない。子供のうちから「世の中はお金がすべてである。」という考えを持つようになることは、健全な姿とは言えないからだ。これに子供は、お年玉をたくさんくれる人はいい人で、あまりくれない人はケチであるという考えを持ちやすい。
お年玉をやる大人からみると、親戚の子がたくさんいうといろいろ悩む。年齢に応じてお年玉の金額を決めなければならないし、他の親戚の人よりもあまりにも少ないと、子供に軽く見られるからだ。そういうわけで「少し多いかな」と思っても、子供に普通より多くお年玉をやってしまうのだ。頭のいい子供になると、そうした大人の心理状態を巧みに利用して、お年玉をたくさん獲得する。
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