読書日記

 人生にはさまざまな出会いがあります。人々との出会い、ものとの出会い、場所との出会い、あるいは、うれしい出会い、悲しい出会い、皮肉な出会い……。それがどんなものであっても、出会いは運命的なものがありますが、そこには必ず意味があります。ですから、出会いをただ偶然のものとはとらえることなく、とても大切にしています


 私がみなさんに申したいことは、自ら考え、そして感じるような良いアンテナやレシーバーを持って動く人には、良い出会いが得られるということです。すべてのもの(事/人/物)との関わりは“出会い”と言えるのかもしれません。その中には、いい出会いもあれば、悪い出会いもあるでしょう。でもそれらを幸せな出会いとするか、何もなかったものとするか、不幸な出会いにするかは、その人しだいではないでしょうか。

 出会いがあっても、その時だけのものとして忘れてしまえば、(人生の中では)出会いはなかったものになってしまうでしょう。最初の出会いを大切にして、関わりを続けたり、さらに深めたりすることで、その出会いは大きなものになるでしょう。そして、いい出会いから得られる幸せは多大になるでしょう。まずは、「出会いを大切にしよう」と出会いに対するアンテナを広げ、「これはいい出会い(になるのではないか)?」と微小な信号でもキヤッチするように心がけることからでしょうか。

 際には、いろんなものに関心好奇心のようなものをもって接し、何かしら魅力に気づくことかもしれません。次に、「この出会いを大切にしよう」「この出会いをつかもう/ものにしよう」とそのものと関わる回数や時間を増やすような努力をし、その中からさらに「この出会いを育てていこう」と思えるものが見つかればいいのではないでしょうか



作者:日野原重明

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