『才』の使い方
1、時間副詞
A)“就”は時間的、早いことを表し、「すでに、とっくに」の意味で
すが、“才”は遅いことを表し、「やっと、ようやく」の意味です。
例:七點開會、他六點就來了。
(7時に会議が始まるが、彼はもう6時に来た)
例:七點開會、他八點才來。
(7時に会議が始まるが、彼はやっと8時に来た)
例:他十八歲就結婚了。(彼は18歳でもう結婚した)
例:彼五十歳才結婚。(彼は50歳でやっと結婚した)
B)動作が行われたばかりということを示します。
日本語の「〜たばかり」にあたります。
例:他才來日本不久。(彼は日本に来たばかりです)
例:我才開始學中文、不太會說。(私は中国語を習い始めたばかりです)
2、関連副詞
A)仮定複文では、“就”は使えますが、“才”は使えない。
例:◯要是你累了就休息吧!(もし、疲れたら休みましょう)
×要是你累了才休息吧!
B)条件複文では、
“就”は最低条件、つまりいろんな条件のどれか一つを受けて、その結
果を述べるときに使われます。「只要…就」の文型になります。
一方、“才”は絶対的な条件(それしかない条件)を受けて、その結果
を述べる時に使われます。「只有…才」の文型になります。
例:只要他來、問題就能解決。(彼さえ来れば、問題は解決できます)
例:只要他來、問題才能解決。(彼が来ないかぎり、問題は解決できない)
C)因果関係を表す複文では、“就”は過去の事実を客観的に表します。
日本語の「,,,ので」「,,,のために」「,,,から」にあたります。
一方、“才”は同じく過去の事実の因果関係を表しますが、その原因は
「仕方がない」というニュアンスが含まれます。
例:因為你要、我就給了你。(君がほしがるから、あげたよ)
例:因為你要、我才給了你。(君がほしがるから、仕方がなくあげた)
3、範囲副詞
範囲副詞の“才”は“只”や“就”と同じく数量が少ないことを表しす。
「ただ」「わずか」「だけ」にあたります。
例:他才寫兩張=他就寫兩張。
例:這麼好吃的便當才50元=這麼好吃的便當就50元
“才”“只”“就”三つの範囲副詞はそれぞれの役割があって、意味は
同じですが、ニュアンスと用法は次のような違いがあります。
只=>動作や数の少ないことを表します。
就=> “只”より動作や数の少ないことをさらに強調します。
才=>他と比較して、不思議や不満に思う気持ちが含まれています。
4、語気副詞
A)肯定文で“就”は断定する語気を強めますが、“才”は他と比較して、
他でもなく、その肯定文に述べた人、物、ことこそがそのものである
ことを強調します。
例1:這就是王老師的家(あれが王先生の家だ)
例2:這才是王老師的家(あれこそ王先生の家だ)
例1は単に“王老師的家”を断定する語気を強めますが、例2はまず、他の家は
王先生の家ではないと否定してから「あの家こそが王先生の家だ」と強調します。
B)“就”は形容詞を単独で修飾できませんが、“才”はできます。
例:我唱的不好、他唱的才好!(俺は歌が上手くないよ、彼こそ歌が上手だ)
C)“就”はわざと相手と違う行動を取る時に使いますが、“才”は相手の提
案を拒否する時に使います。“就”は肯定否定とも使えますが、“才”は
否定は否定的なことにしかつかえません。
例1:他不讓我們說、我就要說。
(彼が私たちに言わせないなら、僕はわざというよ)
例2:不說、不說、我就不說。
(言わない、言わない、なんと言っても言わない)
例3:他要我說、我才不說呢。
(あいつは僕に言えと言ったが、言ったりするもんか)
例4:他要賣我、我才不買呢。
(あいつは僕に売ろうとするが、彼からなんか買うもんか)
例1の“就”は「わざと」というニュアンスで、例2の“就”は「絶対に」と
いうニュアンスが含まれています。相手の意見に反対して、自分の感情を強く
表すときに使います。一方、例3の“才”は他人の要求に逆らう時に使います。
よく語気副の「呢」と一緒に使われます。また肯定的な表現はできません。
(例3:他要我不說、我才說 )とは言えません。
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